なぜ、防犯カメラはフルHD200万画素が普及しているのか?
カメラの解像度って?Part1では、解像度は印刷などで使われる言葉であって、カメラの場合は、撮影素子(センサー)の画素数を解像度としましょう。と、お話しました。今回は防犯カメラに必要な画素数についてお話しです。
映像を見るためのテレビやモニターの画素数は主にフルHD
ちょっとその前に、テレビで良く耳にするハイビジョンとかフルハイビジョン。そして4Kや8Kについて見ていきます。難しい説明は抜きにして、実際のテレビのカタログ等にある画面解像度を基に説明します。
(ハイビジョンとは HDTV = High Definition Television の意味でHDと同意。フルハイビジョンは フルHDでFHDと同意)
横画素数 | 縦画素数 | 総画素数 | |
HD(1K) | 1,280 | 720 | 約92万画素 |
フルHD(2K) | 1,920 | 1,080 | 約200万画素 |
4K | 3,840 | 2,160 | 約830万画素 |
8K | 7,680 | 4,320 | 約3,300万画素 |
2K・4K・8Kとは
2K・4K・8Kとは、数量などのK(キロ)と同義語で2,000・4,000・8,000を意味しています。上記表の横画素数1,920=2K・3,840=4K・7,680=8Kを意味します。(2021/01/19追記)
この画素数とは、前回Part1でお話したスマートフォン等の画素数と同じ意味と理解しても良いと思います。映像(静止画)の記録は約800万画素のセンサーを持つスマートフォンは、800万画素を表示できるモニターで表示すれば、その映像の情報を100%表示することが可能になります。とするとこのスマートフォンは4K相当と言うこともできると思います。
でも、これはカメラの静止画の画素数。そうです、防犯カメラは動画を記録(静止画として記録する場合も)するのが主な目的なんですよね。
高画素数を誇るデジカメも動画はフルHD
ちょっとその前に、せっかくPart1で調べたカメラの動画性能を見てみたいと思います。
センサーサイズ | 画素数 | 動画最大解像度 | |
一眼レフ | APS-C | 約2,420万画素 | 1920×1080 |
コンパクトカメラ | 1/2.3 | 約2,000万画素 | 1920×1080 |
スマートフォン | 1/3.2 | 約800万画素 | 1920×1080 |
※最新のカメラやスマホは、同様のセンサーサイズで4K(3840×2160)対応機種が多くなってきましたが、フルHDの1920×1080がメインのようです。
さて、防犯カメラを含む動画撮影ですが、最新の4K対応以外は1920×1080(フルHD)が主流なのです。どうしてかと言うと、先に説明したテレビで確認してみてください。そうです、各家庭等にある、ほとんどのテレビがフルハイビジョンなのです。昨年末、新4K8K衛星放送がスタートしましたが、普及にはもう少し時間が必要な様ですよ。撮影した動画を鑑賞するテレビがフルHDなので、記録するカメラもフルHD相当の画素数で十分といえます。
静止画ですが、テレビ(モニター)の画素数以上の画像データとの比較をしてみました。
左が4K相当の画像を1/2サイズで表示。右は2K相当の画像を等倍で表示した物を画面キャプチャーしました。見え方に違いがありません。動画とは異なりますが映像データと表示するモニターの画素数の関係を見てください。
え?パソコンのモニターは4Kが結構普及してるよ!って。そのとおりなんですが、動画撮影に4Kが普及しない理由が他にもあるんです。そのお話は次回Part3で・・・